スタスクが不安定でスカファも可哀相です。
ちょっと暴力描写あるので注意!!




ドアの前で、数分経っていた。
それが数分かも分からない、兎に角この先を開けることが怖いのだ。
しかしそうとばかり言ってられない。

いつもと同じような笑顔で
いつもと同じように扉を開けた。

声を出す前に顔に感じた痛み。それもいつものことだ。
空けた瞬間自分に投げられたものは部屋が暗くて確認できない。
横にあるスイッチに触れると、壊されたのかパチパチと火花が散る。
物が散らばった床。
壊れて原型も無い機械の欠片。
そして、ぐちゃぐちゃな泣き顔で肩で息をするようにこっちを睨み付けていた。

「うそつき・・・うそつきうそつきうそつきっ!!!!」

投げられる破片と罵声。
きりきりと金切り声が狭い部屋に響く。そして自分の心の中にも。
さっき投げてきたのも一緒だろう。
手当たりしだい、スカイファイヤーの体中に当たり傷をつくる。

「うそつきうそつきうそつき早く帰るって言った俺を一人にしないって言ったまた誰か俺を壊しに来るこれを消そうとするだから助けて助けてなぁどうして俺を一人にするんだよっ!!!!」

痛い。
入り口に立ち尽くしたまま、地べたに座り込んで泣き叫ぶ彼の姿を見てそう感じた。
それは外傷からではなく、心が痛いのだ。
それはどちらも同じ。

周りに投げるものがなくなっても、その手は止まらない。

彼は、スタースクリームは変わってしまった。
世間の冷たい視線と批判。そして絶え間ない痛みの連続。

ぼろぼろであった。
そんな彼を引き取ったのも自分自身だった。それは単なる同情なんかじゃない。
彼に戻って欲しかったのだ。
明るく、強く、本当は優しいあのスタースクリームに。

けれど、そんなに甘くは無かった。

スタースクリームを家に置いてスカイファイヤーは仕事に出ていた。
帰ってきたら今日の仕事についてはなしてあげよう、きっと興味を持つ。そして極上のエネルギーで一杯やって。
出来ることをしてあげようと帰ってきたその日。
彼は今のようであった。

少しでも一人にしたら泣き叫ぶ。
戻ってくると殴り物を投げつける。
落ち着けばぐったりと眠りに付き、体を離そうとしない。


分かっている。
彼に必要なのが愛情だと。
与えているつもりだった。何が足りないのかと自問したが、それに叶う答えは見つからない。

「・・・・・・スター、スクリーム」

名前を呼んだ。
その一瞬、投げる手が止まり、目線が初めて合う。

近づくと、ふるりと体が震えたのが見て分かった。

抱きしめた。
回された手が傷に当たって痛かったけれど。

きっと。
君の痛みに比べたら痛いなんて言えないから、泣きたいなんていえないから。



「ただいま、スタースクリーム」






私は今日も。
君と同じ日々を繰り返す。








◆◆◆


「ちょっと吸ってもいいか?」
「・・・ん」

おもむろにサンストリーカーが取り出したのは、ホイルジャックが発明したロボット用煙草とかいうやつで。
サンストリーカーは試作品だから試すなんていいながら結構頻繁に吸っていて、ランボルはその匂いや煙が嫌いで吸おうとしなかった。
それを知っていて了承をとったのだろう、本当は駄目と言いたかったが何故か言えなかった。

ふわりと煙が舞う。
苦い匂い、思わず手で顔を覆う。

「・・・外行くわ、俺」
「いい、行かなくて」

窓開けるから、と外の空気を入れた。
今は未だ肌寒い季節。夜風が触れ、冷たさを感じた。

けれどそれが心地よくて。

煙が風に混じる。

それがなんともいえなくて。
人間にしかない心臓があるような気がして。

胸が苦しくなった。

それは煙のせいか、風のせいか。

それとも。

*兄が好きなんだよ。

◆◆◆


「・・・・・・なぁハウンド」
「んー?」
「俺のこと好き?」
「んー」
「愛してる?」
「んー」
「襲ってもいいか?」
「んー」
「じゃお構いなく」
「っんわあ!ちょ、リジェどいてくれっ!」
「OKって言ったぞ」
「そ、そんなの知らないっ!」
「じゃ俺の話し聞いてなかった罰ということで」
「そんなっ・・!ぅあ、っ_///」
「いただきます」

*拾った花に興味津々で話聞いてなくてこうなったんだから自業自得さ!!

◆◆◆

「なーラチェットー聞いてくれよーオプティマスがさー」
「・・・此処で無駄話は止めてくれないか」
「酷いこというな、立派な悩み相談だぜ?軍医なら心のケアも宜しく頼むよ」
「はっ、何をほざくのかと思えば」
「うわっ、それ傷つく」

いつからこの診療室と私は心のケアに携わるようになったのか、寧ろなったつもりは無い。しかしこのおしゃべり好きの副官は未だぺらぺらと話している。

「それがさ、バンブルビーの奴俺といても司令官の話ばっかなんだよ、俺がどうしても話題変えたくて違うことはなしても器用なくらい話がまた司令官にいくんだ。
俺が『そういえば俺新しい技考えてんだ』っていうと『司令官は新しい戦略ないかって考えてるよ』とか、あとは何だ?いいつくせないくらいそんなんだぜ?耐えられねぇよ」
「私も耐え難いな、お前の話を聞くのが」
「気にするなよ、なーどうしたらいい?」
こっちのはなしは無視かと思いながらまぁその話に付き合うことにしてやる心の広さを今だけもってあげた。

しかしそれが調子に乗る最初で。

「あーラチェットー!!!」

次からは扉に暗号ロックをかけておこうと思う。

*悩み相談。副官はそれから味をしめ何度も悩み言いに来ます。


◆◆◆

ねぇ、オプティマス
貴方の笑顔が見たいと願うのは
身勝手ですか? 



『オプティマス・・・・・・オプティマス』
必死にしがみつく様に、貴方を安心させようと抱きついた。
このぬくもりが貴方の優しさに触れればいい。
貴方が少しでも救われるのならば。




なぁ、バンブルビー
お前の笑う顔が見たいと思うのは
勝手だろうか


「バンブルビー」
震える背中を撫でながら、少しでも安心して欲しいと思った。
このぬくもりがお前の優しさに伝わればいい。
お前が少しでも幸せになってくれるならば。


◆◆◆

「ぜーったいそうだって!!お前メガトロン様のこと好きだろっ!!」
「な・・・っ!!そんなわけあるかっ!だーいっきらいだ!!」
「って言いながら本当は『あーメガトロン様スキスキッ!』とかいってやったり〜」
「だからそんなんじゃないっっ!!!」
「あーもー照れちゃって可愛いんだからスタスクちゃんは」
「だーかーらー!!!」

*よくいる、からかう子といわれる子。

◆◆◆

何も話すことは無い。
ただ隣に座りあい、肩口に頭を乗せてくたりとしていた。
ランボルがサンストリーカーの腕を掴みながら考えることはいつだって気まずいなぁ、と思うこと。
サンストリーカーに関しては何を考えているのか分からないが上を向いたまま。
「・・・・・・なぁ」
勇気を出して声を掛ける。
「うん?」
帰ってくる優しい声。あ、いつもと違うとか思って、機嫌のよく温かい気持ちに出す柔らかな声に自然と安心した。
「なんでもないけどさ」
「なんだよそれ」
「だって暇なんだ」
「だな」
肩から頭をはなし、ぐんと胸をはり体をのばした。間接がぐぐっ、と伸び気持ちがよい。反面、やはりどうしようもない気持ちにもなる。
「・・・・・・」
目が合った。じっとみつめてくるから不自然で。
「何?」
「いや_」
手が伸びる。触れ合う手。
ただ何も言えない。兄弟だから、こんなことは当たり前で。
「・・・・・・ランボル」
今度は唇が近づき、ふわりと重なり合う。ゆるゆるとした気持ちが不可解で、押さえようとした手が空にある。
離れたときには、ただただ。

「兄弟だから、だよな?」
そう言ったときに、苦く微笑むサンストリーカーの気持ちなど、分からなかった。

*サンストランボル兄弟萌。それがもう無自覚イチャイチャでもいいが、兄弟だから、で行為 に理由をつける弟と、それを言われちゃなぁとかその一線じゃないのにとか葛藤したりいらいらしたりするサンストがね!!!(爆

◆◆◆

黙って上を見つめ、下からそれを見下ろす。
堪える様な声は体がびくりと跳ねるたび漏れる。
ああ、開放してやりたいと口を押さえる手を無理やり放し、唇を代わりに添えた。
その手は自分の頭に回り、甘い魅惑におぼれていく。
そしてそのまま。

開放してあげるから、代わりに自分のものになって欲しいと。

そんな我侭は通じないだろうに。

*一応ジャズビーで・・・ね。


◆◆◆

「どうしたんだ?バンブルビー」
隣で膝を抱えながらくたりと座り込む姿に心配になったオプティマスはバンブルビーに声を掛けた。
くいっと首が上がり、視線がふわりと移りこっちを見た。

「眠いなら寝たらいい、特にやることもないからな」
こくりと、重たげに首が縦に揺れた。
こくりこくりと危ういリズムと崩れそうな膝。
それがどうしても可愛いと思ってしまって。
ついでにこんなところで寝させるのもな、と思って膝に手をいれ持ち上げた。
ようするにお姫様だっこというべきか。それでも眠気がかっているのかゆるく腕を首にまき、すーすーと寝息をたてた姿にいとおしさを感じた。

「おやすみ、バンブルビー」

届かなくてもいいから、ゆっくりと夢の中へ。

*してください是非。

◆◆◆

地球っていいなって思う。
それは色んな理由があるけれど、こんなに平和だなぁって思ったことあんまり無かったから。

サムは時々外に出て、おいらの体の中でゆったりとするときがある。
嫌いじゃない、寧ろ好きだった。
昼間は音楽をならしながら窓を全開にしてドライブをする。夕方には沈む夕日をミカエラとサムが見てるから、おいらはこっそりしてる。
そして夜。
星空を眺めながらただ外の音だけを聞く。

「・・・あ!!ちょ、バンブルビー見た!?今の流れ星だよ!」
願い事言い忘れたなぁと呟くサムに反応してカチカチと音をならした。
するとサムは笑う。にっこりと、優しく。

「なんか、いいね。こういうの・・・上手くいえないけどさ」
うん、おいらもそう思う。

「本当は夜ってあんまり好きじゃないんだよね。どうする?ジェイソンとか出てきたら・・・バットマンならいいけど」
じぇいそん?ばっとまん?よく分からないからあとで調べなきゃ・・・

「でもね、君がいるならこうしてるのが凄く楽しいんだ」
それ聞いておいらも楽しい。

「ありがとう、バンブルビー」
こちらこそ。

敬愛の意味をこめてラジオのフレーズの『サンキュー!』だけを流した。
そして『今宵は貴方に素敵な夢を』とかいうフレームもつけてみたりしたらまた笑う。

「おやすみ、また明日」


あ、地球っていいな。
やっぱり理由はまだ上手くいえないけど。
絶対こういう嬉しいことがたくさんあるからなんだと思う。
また明日。
君とこうしていよう。


*地球人あまり書かないのでサムって俺か僕かで悩んだ。しかも上とおんなじでおやすみでしめるというね!!

◆◆◆

もしもバンブルが猫になっていたら。

「ぅにゃああああああ!!!なにこれーーーっ!!!」
バンブルの体には部分的に鉄ではない柔らかな毛並みがでていて、しかも自慢の角はぴこぴこと動く耳が生え、お尻には短くゆらりとしたしっぽがふりふりと揺れていた。。
まるでその姿は。
「猫だな」
「うにゃああうっ!」
冷静に発言したラチェットはこれまた冷静にバンブルの体を調べた。
「うむ・・・どうやら本当にはえているらしいな、と」
「ぅゃ_ん」
耳をさわれば小さく震えるのでどうやら神経がつながっているらしいと判断した。
「どれ、口の中は」
「ぁ、けほっ」
人さし指を入れるとむせてしまう小さな口の中。舌をくすぐるとざらっとした感覚。
そして肝心のつるりと生えている尻尾を掴むと。
「にやああっ、んあっ!!!」
ぶるりと身を震わせくいっと尻が高く突き出された。
「ふむ、どこからどこまでも猫みたいだな」
「ぁ、だ、めっ・・・うにゃぁ_」


「おい医者そこはさわらなくてもいいだろが」
「触診ですよ?」

*ねこかわいいよ

◆◆◆

「知ってるか?押して駄目なら引いてみろというのだぞ」
「はい?何言ってるんですかいメガトロン様」

唐突の言葉の意味が理解できず聞き返すと、まるで馬鹿かというようにため息がつかれる。
それにいらっとしながらも関わらない方がいいと思った。

「貴様はいつもおしてばかりだからな、たまには引いたらどうだ」
「へいへい、分かりましたよ」

なんだよさっきから。
作業しながらも頭の中はさっきの言葉が分からなかった。
「おい、スタースクリーム。ちょっとデータをとってこい」
「へーい」

そう軽がると返事をして扉の前に向かった。
「ん?」
いつもなら足を出した瞬間開くはずの扉が開かない、ということは手動か。
「・・・チッ」
がちゃりと取っ手を押すがあかない。
「んだよ・・・鍵でもかかってんのか?・・・・・・あ」
(押して駄目なら引いてみろ)
「そういうことか!メガトロンめ馬鹿にしやがって、こんなの朝飯前っ_!」
ガツッ!!
「あ・・・・・・開かねぇっ!」
押しても駄目。
引いても駄目。
「畜生!鍵かけやってだましたな!!この卑怯者!!」

「おい、スタースクリームよ」
「あん!?」
「それ、引き戸だ」
「・・・・・・あ」

*なんでこんなん書いたんだ・・・。

◆◆◆

「好きだよ、ラチェット君」
「・・・・・・は?」
「嫌だったかな」
「い・・・・いやっ、そのっ!」
「ははっ、なんだ。らしくない態度で」
「・・・貴方のせいですよ」
「我輩のせいですかい」
「ええ、不意打ちなんて」
「前に言ってたろ?ほら、『好きっていってほしい』なんて」
「義理じゃ嫌ですよ、私はそんなに心は広く出来ていない」
「あら、そりゃ失敬」
「って、義理だったんですか!?」
「おいおい、ちょ、落ち着いてラチェット君、義理なわけないでしょうが」
「本当ですかっ」
「嘘言わない主義でね」
「ならもう一度」
「どうしようかねえ」
「私はあなたのこと、本気で好きですよ。何があってもそばにいたいし、それに」
「あーそれ以上言わないでくれっ」
「どうして?」
「・・・照れるから」
「あーほら、可愛いんだから。じゃあもう一度、最後に」
「好きだよ、ラチェット君」
「私もです、ホイルジャック」

*なんにも言わないいいいいいいいいい

◆◆◆

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