暴力描写有!!スタが可哀想な事になってますので観覧の際注意!

















目の前の光景に、背筋がゾクリとするほどの高揚感がくる。そして声を出さずに口の端だけを歪ませて笑った。
普段の勇ましさというべきか、あの反抗的な態度は何処にいったのであろうと思うほどしな垂れる身体。
無理矢理におった翼は軋みをあげ、そこらじゅう罅割れや、破壊箇所の間から見える内部の損傷。
それが美しさを募らせ、自分を楽しませていく。愉快で、愉快で堪らないのだ。

もともとこいつはこうなるべきなのだと、何時もどこかで感じていた。
我々の主導者、メガトロンはこいつが裏切ろうとも何しようと結局は側に置いておく。

それが甘い。優しすぎる。

何故彼がその立場にいるのか、何故自分にはないモノがあるのか、何故?
それがどうしても気に食わない。

「ぅ・・あっ・・・サウンド、ウェー、ブ・・」
今まで口を閉ざしていた彼が、やっと聞こえるほどの声量で自分の名を呼んだ。
見れば声とは裏腹にその赤い瞳は自分を捉え、きつく睨み付けていた。
怒りと、恐怖を含んだ眼差し。

再び、湧き上がる興奮。
押さえようのないこの想いは留まろうとはしない。
「一体、どういう、こと・・ぐあぁっ・・!!」
サウンドウェーブはスタースクリームの胸の装甲を無残にも蹴りつけた。
そして又、新しく罅が出来るのだ。その度にあがる悲鳴、そして抵抗の声。
呆れるほどだな、と口には出さずに心の中で呟いた。まだこいつは自分の今の立場を理解していない。

それならば唯教えればいい、相手が自分の今の心境に気付くまで。

外部損傷をくらい続けたせいでむき出しになった内部構造に手を突っ込むと、痛みによるものか、体中に力が入り耐えようとしているのが此方側からでも分かるのだ。
いつまで耐えるのか、まぁ耐え性のない彼のことだ、直ぐにそんな我慢など忘れてしまう。
ではなく出来なくなるだろうと心底笑みを見せた。


「い、ぁあ・・あっ!!やめ、っ・・がはっ・・・!!!」

剥き出しになり見える範囲のケーブルなどを力ずくでぬくと、ぶちぶち、と切れる音と共に痛々しい悲鳴があがる。

いつもならば少しでも心地のいいサウンドになるはずなのに、やけに気分が悪い。
そのイラつきはやはりスタースクリームに向けられ、又内部を掻き乱される。
自分でも、見なくても分かる内部が損傷していく音。痛み。
もう手足の感覚など全くなくて、ただ猛烈に痛みだけが襲ってくる。
「た・・・すけ、て・・サ・・ん、ェ・・ブ、たす、け、ぅぁ・・」
情けないほどの声、もう限界に近いスタースクリームは無意識のうちに許しを請いていた。
しかし、サウンドウェーブはそれを受け入れる事など選択肢には無い。
スタースクリームは毎度口だけなのだ。
又同じ過ちを繰り返し反逆を狙おうとする。そんな繰り返しを見て、今経験するなんてウンザリだ。

そっと、震える頬に手をそえると彼の表情が少しだけ希望に染まった。
その表情が許せない。

「ソレデ許シテクレルト 思ッタカ 」
「ぇ_かはっ・・!!」

頬に当てた手をもう一度彼の顔面に殴りつけた。
それに耐え切れず身体がきしみをあげて床に叩きつけられ、静寂に鉄のぶつかり合う音が鳴り響く。
徐に立ち上がり、這い蹲るスタースクリームの頭を踏みつけ、動かないように押さえつけた。
何とも惨めな姿、しなだれる身体に、もう動力回路がイかれてきたのか不規則に痙攣を繰り返す。
見下げた彼に、押し殺したような声で聞こえるように囁いた。優しく、まるで問いかけるように。

「サァ ドウシタ 」
「っ・・・ぁ」

ひそかに抵抗し、身動ぎをしようとするがそれはサウンドウェーブにはなんの効果も無くただ虚しく時間が過ぎるだけだった。
サウンドウェーブは呆れたとでも言うように床に伏すスタースクリームを冷たく見下げる。
何をしても無駄なのに、どうして逃げようとするのか?
いっそのことずたずたに壊して動く事さえもままならなくしてやろうかという考えが浮かんだがソレは名案ではない。
この苦しみ伏す時間が短くなってしまうではいないか、どうせならば身体に叩き込むまでにやったほうが此方も楽しいわけなのだから。

頭に足をのせ、力をこめて踏みつけた。
みしり、という音と共に声にならない悲鳴が小さくあがる。
弱弱しくなる呼吸音、先ほど音声を繋ぐケーブルも切ってしまったらしい。
まぁ、それが命取りになるわけでもないが。
「サゥ・・ン、ド・・・・・ブッ、も、やめ・・」
必死に何かを呟く姿は何とも忌々しいが、見方を変えれば清清する光景でもあった。
倒れこむ身体を上半身だけ起こそうと腕を掴むと、力なく『止めて』と口走りながら抵抗をする。

意味がない
訳が分からない
逆らうな

くらりと倒れこむスタースクリームの身体を、その反対側に蹴り上げ、殴りあげた。
何度も何度も。



ふと気が付けば、息を切らして微動だにしない彼を嬲る自分がいた。
外部損傷を激しく受け続けていたスタースクリームの身体は防御システムさえもが破損していて意識を保つ事さえ困難な状態である。


ハ・・・ハハハッ・・


知らず知らずのうちに、笑いが込み上げてくる。



「ハハ・・・フハハハハハ!!!!」



まるで狂ったかのように、喜びを現した。
空虚な部屋の中に、痛々しいまでの音が反響しあう。


愉快だ。
小刻みに痙攣を繰り返すスタースクリームの頭を無理矢理上に持ち上げ、顔を覗き込んだ。
その瞳は虚ろで、口だけが動き言葉を出そうとはしなかった、いや、出せないのだろう。
何とも弱々しい排気音が辛うじて聞こえるだけ。
そして、暫くその様子を楽しむ。

堕ちていく虚しさ。
途切れそうな意識。
溢れるほどの自分に対する屈辱。
そして、恐怖。

「っ・・・たす、け・・助けて、く・・も、止・・・・・れっ・・・・!」

狂ったか、と想うほど許しを乞い、泣き叫ぶ醜い姿がそこにはあった。
サウンドウェーブは、先ほどのように声には出さず込み上げる笑いを押さえ、口の端を持ち上げ酷く歪ませた。
張り裂けんばかりの思いに縋り、甘える姿。その姿に、吐き気と、優越感が溢れる。

今までの過ちに気付き、泣き叫ぶがいい。
それが、今しか無い選択肢。


「マダ 間ニ合ウ」
立ち上がり、持っていた銃をゆっくりと彼の前に構えた。
力なくしなだれる身体に、標準をあわせるように。

「 サァ 」

引き金を引けば、きっと楽になるだろう。
それが自分からの餞だから。
だから


「乞エ 全テヲ 許シヲ」

もう少しすれば、楽になる。だから、もう目を閉じて。





ドウシヨウモナク 

狂ウカノヨウナ


 快感






「 愉快ダ 」



































 
『イジョウ ホウコク シュウリョウ』






















愛していると、呟けばよかったのに。




















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